ざっくりアメリカのカジノの歴史

アメリカではカジノは州によって合法か違法かが違う.それに加えていわゆるインディアン・カジノというものがあるのが話を複雑にしている.

アメリカの商業カジノの歴史は1930年のネバダ州でのカジノ合法化から始まる.それ以前のラスベガスは砂漠の中のオアシスにすぎず,ゴールドラッシュの中継地点などとしては重要だったがそれ以上のものではなかった.しかし1929年のウォール街大暴落を受けてネバダ州はカジノ合法化,フーバーダム建設などに踏み切った.1940年代は同州砂漠地域での核実験関連の人々が住む街として,そしてカジノの街としてラスベガスは大発展を遂げる.現在のラスベガスは各種ショーなどが開催される総合エンターテイメントの街として知られる.こうしたエンターテインメント興行で旅行者を集め,そしてカジノでカネを落としてもらおうという収益構造だ.

他州でカジノが合法化されるのはそのずっと後で,だいたい1990年代~2000年代に入ってからのこと.しかしネバダ州以外にカジノが全くなかったわけではない.それがインディアン・カジノ.

アメリカ合衆国にはネイティブ・アメリカンとの土地問題,あるいは強制移住の歴史がある.おおざっぱにいえばネイティブ・アメリカンは中西部~南部のインディアン居留区(リザベーション)に押し込められていた.そこは大抵は不毛の地であり農業もできず産業も育たず多くの彼らは貧困にあえぐことになった.連邦政府から補助金が出ているところもあるがしかし逆に補助金づけになっているような問題もあるのだがそれは余談で,ここで重要なのはインディアン居留区では法律が異なるため,そこにはカジノがある場合があるのだ.これがインディアン・カジノ.インディアン居留区での重要な産業な一つである.