非常に面白かったのでメモ:

日本の土壌は多くを褐色森林土(かっしょくしんりんど),黒ボク土(くろぼくど),グライ低地土(ぐらいていちど)が占める.

黒ボク土は火山灰土壌で畑作に適する.大地や丘陵地に降った火山灰は雨などでCa, Naなどが溶脱し,アルミニウムや鉄が溜まっていく.これらは反応性が高いので(1)腐植の分解を抑制して(なぜ反応性が高いと分解を抑制するのだろう?)腐植がたまる.溜まった腐植は降雨などに対する水はけを良くするが普段から水をためやすくもする(2)肥料として重要なリンを固定するためリンが溶け出しにくくなる.これは不利な点だが逆にリン酸肥料を使うのに良い(リン酸肥料が登場する前は耕作にはあまり適しない土だった).以上の理由で畑作に適するわけだ.

低地土壌は水田に適する.水田には水が張られる.すると微生物が発生する.これらは酸素を消費するので土壌中の化学物質が還元される.たとえば:

No3- → N2 硝酸が窒素ガスに

MnO2 → Mn2+ 二酸化マンガンが二価のマンガン

Fe(OH)3 → Fe2+ 三価の鉄が二価の鉄に

SO4 2- → H2S 硫酸イオンが硫化物に

CO2 → CH4

など.

また水と還元状態のおかげでリンが溶けやすくなる.また水田では連作が可能(畑のように輪作などをしないで済む.なぜ?).ただ窒素ガス発生によって脱窒されたり,温室効果ガスのメタンガスが発生するのは欠点.

いくつか疑問.(1)褐色森林土は耕作に適するのか? (2)リン酸肥料が登場する前は黒ボク土での耕作はなされていなかったのか? (3)雑草の植生はこれら3種類の土壌ではどのように異なるのか?